あらかじめ子供に「通勤通学ラッシュ」をイメージさせるために親がやるべきこと
通勤通学ラッシュの経験
学校説明会や学園祭に足を運び、実際にこの目で学校を確かめてから志望校を決定するのが定石かと思います。生徒の様子や設備の充実度など、学校紹介のパンフレットで見た印象とは異なることも少なくありません。
しかし、学校説明会や学園祭は休日に開催されることが多いため、実際に学校に訪問したとしても、子供が見て、経験できないのが、通勤通学時の状況です。
入学するかどうかわからない、志望校選択の段階で、平日の朝から子供を連れて通学ルートのラッシュを経験させている人はほとんどいないのではないでしょうか。
それでも通学路、通学時間は大きなファクター
意外と子供たちは、「通学」について深く考えていないものです。気になるのは生徒の雰囲気、学校設備です。
我が家の子供たちも、車酔いがひどいために「長時間のバスは嫌だな」と言うくらいで、乗り継ぎや所要時間など気にしている素振りはまったくみられません。我が家は賃貸ということもあって、「何なら引っ越せばいい」と軽く言う始末です。
高校だけでも3年間、中高一貫校であれば6年間も通うのですから、親としては、通学の所要時間、電車の乗り継ぎ、最寄り駅から学校までの距離や環境など、学校にたどり着くまでのことも気になるところです。
ますは通学範囲の決定から
新型コロナウイルスの影響や異常気象などの天災への懸念もあって、できることなら自宅から近い学校に通わせてあげたいと思うのが親心かと思います。
一方、実際に学校に通うのは親ではなく子供たちなので、たとえ志望校が多少遠くにあったとしても、子供たちの意向を十分に尊重しなければなりません。
特に首都圏では、学校数が多いため、なかなか絞り込むのも難しい面があります。
そこで、キリがありませんので、自宅から「半径何キロ」または「片道何時間」と、一度強引に線を引いてしまうのが望ましいと思います。
ちなみに我が家では、現在の住まいから「door-to-doorで90分」を一つの目安に線を引き(それでも、結構広い範囲です)、その中で志望校を話し合ってきました。
子供に通学通勤ラッシュをイメージさせる
同じ所要時間であっても、使う路線・駅によって、乗り換え回数によって、子供に与える負担は大きく異なります。
本来であれば冒頭に述べたように、志望校選択の段階で実際の通学を経験させた方がよいのでしょうが、現実的にはなかなか難しいです。
そこで、まず頼りになるのは、親の経験です。
乗ったことのない路線はイメージし難いでしょうが、少なくとも通勤で利用する路線や駅は十分理解できているはずです。「あの小さな体で、60分もこの混雑に耐えるのか」「日本有数の乗降客数を誇るあのターミナル駅で乗り換えるのか」と、本人の代わりにイメージします。
そして、時より、休日のお出かけ時に少し混雑した、不快な電車に子供と一緒に乗ったとき、「志望校への通学は、これより混雑した電車で、かつ、もっと長い時間立っていなければならないのだよ」と教えてあげましょう。
我が家の子供たちも、たった一駅ですが電車に乗って塾に通っています。特に帰りの時間は、ちょうど帰宅ラッシュの時間帯で、いつもオジさんたちにもみくちゃにされています。
ある日、塾から帰る息子と一緒になったことがあります。その頃、まったく方角の異なる志望校で悩んでいた息子に対し、一言ささやきました。
「反対のホームの電車を見てごらん。反対方面の電車であれば、行きも帰りもゆったりと座って、大好きなスマホを見ながら通学できるよ」
息子は、私のその一言で腹が決まったようです。