子供を傷つけないために親として心得ておくこと

2020年8月19日

現実の問題として合格率を肝に命じる

中学受験で第一志望に合格できる割合は、3割程度と言われています。もちろん、同じ第一志望といっても、手堅く選んだ末の第一志望と、「あわよくば」の記念受験とでは、だいぶ事情も異なりますが、志望する学校に入学するのが簡単ではないことは確かなことです。

したがって、親として「不合格となる子供の方が多い」という現実は、あらかじめ受け止めておく必要があると思います。

子供へのアプローチ

厳しい現実を受け止めれば受け止めるほど、危機感をもった親としては、つい子供にも同じ危機感の共有を求めてしまいがちです。

確かに危機感の共有も多少は必要ですが、それが過ぎると子供のモチベーションにも影響してしまい、さじ加減が難しいところです。場合によっては「どうせ頑張ったって、あの学校は無理だ」と諦めモードになってしまいかねません。

しかし、一方で子供の「のんき」な様子や仕草、発言に遭遇すると、黙って見過ごすわけにはいかず、きつく言いたくなってしまいます。

親の「言いたくなる気持ち」と、子供の行動改善・危機感共有の両方を満たす方法として、マイナスの発言は慎み、プラスの表現に変換して行動を促すことがおすすめです。

我が家でも、打たれ弱い子供にあまりプレッシャーをかけるのはよくないと思い、「そのようなことでは、○○○中学に不合格になるぞ」といった類のマイナス発言は慎み、「さあ、○○○中学に行こうぜ」「あと少しの頑張りで○○○中学にも届きそうだ」と発するように心がけています。

精神論となってしまいますが、まずは机に向かわせることが最優先事項と考え、まるでハーフタイム中のコーチにでもなったかのように子供に声をかけます。「黙っていられない」親の気持ちは、これでだいぶ解消されます。

最悪の結果も想定しておく

親としては、子供を「その気」にさせておきながらも、一方では「3割しか第一志望に行けない」現実を直視しなければなりません。

私は「第一志望どころか全ての志望校に不合格となった場合でも、平然と受け止めてあげなければ」と肝に銘じています。そうに思うようになったのは、あることがきっかけでした。

以前、塾で行われたテストの結果を見て、あからさまに私が態度に示してしまい、息子が大泣きしたことがあったからです。

そのテストに至るまでの間、親子ともども今回は相当に頑張ったと自負していたので、「きっと成績もかなり上がっているだろう」と期待していました。ところが、結果は成績ダウン。まったく想定していなかったためか、本人以上に私が落胆してしまいました。「あの頑張りは何だったのか・・・」と。

私は日頃から、怒ることも、怒鳴ることもほとんどないので、それが原因で子供が泣くようなことはありません。しかし、そのときは落胆した私の姿を見て、息子が大泣きしてしまったのです。

大いに反省しました。

子供を傷つけないための心の準備

子供は「受験を『自分事(じぶんごと)』として考えなければならない」と言われますが、「親の期待に応えたい」という気持ちも動機の一つになっているに違いありません。

あのときの息子の涙は、自分への悔しさもあったでしょうが、親の期待に応えられなかったこと、親を落胆させてしまったことの罪悪感や辛さのほうが大きかったのだと思います。

もしかしたら、息子のやる気を削いでしまったかもしれない、「受験をやめる」と言い出すかもしれないと心配しましたが、その後も彼は勉強を続けています。

あれ以来、試験の結果に一喜一憂することなく(もちろん、よかったときは褒めますが)、なるべく淡々としているよう努めているつもりです。家の中の雰囲気は明るく柔らかく、親も子も、やるべきことを淡々とこなしていくといった感じが望ましいと考えています。

迎える受験本番。仮に残念な結果であったとして、「あのとき」と同じように私が落胆した態度を示せば、子供の受けるショックは「あのとき」の比ではないでしょう。

少なくとも子供の前では、平静を装っていられるよう、親としては「心の準備」をしておきたいものです。

受験

Posted by Eisuke